ロイヤル インダストリーズでは、これまで数百にも及ぶ商品を開発してきました。
私たちの開発の軸となるのは、「常識を疑うこと」「仮説からの実証」
そして、「お客様である農家の声をしっかりきくこと」にあります。
ここでは、数々の商品のなかからそんなロイヤル インダストリーズの開発姿勢を体現した
3つの開発ストーリーとともに、自社工場での取り組みをご紹介します。
ロイヤル インダストリーズでは、
これまで数百にも及ぶ商品を開発してきました。
私たちの開発の軸となるのは、
「常識を疑うこと」「仮説からの実証」そして、
「お客様である農家の声をしっかりきくこと」にあります。
ここでは、数々の商品のなかからそんな
ロイヤル インダストリーズの開発姿勢を体現した
3つの開発ストーリーとともに、
自社工場での取り組みをご紹介します。
「カルビタ」は植物にカルシウムを補給する水溶性カルシウム剤である。水溶性カルシウム剤には、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、ギ酸カルシウム等を原料とするものがそれまでも市場に流通していた。これらのカルシウムは水に溶けるため、水に溶かして葉面散布することができるからである。しかしながら、中でも炭酸カルシウムは水に「不溶」とされているため、誰も葉面散布するカルシウム肥料の原料候補と考えることすらなかった。今でも炭酸カルシウムは水に「不溶」とものの本には書いてあり、水に溶かそうとしても全く溶けないことがわかる。
当社社長の山田靖史は日夜1人開発を続ける中、ある日有機酸と炭酸カルシウムと水に混ぜてみた。するとどうであろう。炭酸カルシウムは発泡しながら短時間で見事に溶けるではないか。そして、農家が庭先混合し作物に散布するであろう時間を経過しても、まったく沈殿することはなかったのである。有機酸は食品にも添加されるものであり、人にもそして自然にも安全、安心な材料である。「常識を疑え」。これこそが科学の常識を打ち破った「カルビタ」誕生の瞬間であった。
(1996年/特許登録番号 第4107976号)
「ロイヤルシリカ」の開発は、ある種のアブダクション*と言えた。
当社社長の山田は、植物病理を専攻し、植物が病気に侵されるのは、複数の要因はあるものの、日本における高「湿度」が大きく影響していると見ていた。そうだとすれば、この湿度をコントロールし(低め)、乾燥した小気候帯を植物体の表面に作り出すことが出来れば、化学農薬的な作用に頼らずとも病気の発生を一定程度抑制出来るかもしれない、との仮説を立てた。
そこで吸湿性の高い鉱石の一種である「ゼオライト」を主材料にした葉面散布剤を開発、実際に植物の葉や茎に散布してみたところ、果たして仮説の通り、より乾燥した環境が植物体の周りに作り出され、この湿度の高い日本においても病気の出難い環境が出来上がったのである。*abduction 「仮説形成」とも訳される。アメリカの哲学者チャールズ・パースがアリストテレス論理学を基にして提唱した論理展開法。起きている事象に対して仮説を立て論理的に説明する論法。
(2003年/特許登録番号 第4064286号)
凍霜害予防はそれまで畑で燃焼資材を燃やすのが常であったがその管理は大変だった。果樹の場合、春先に凍霜害で花のめしべがやられてしまうと一年間の収穫は無くなってしまう。ある農家はこう述懐する。「ブリキ缶に燃焼資材と着火用の灯油を入れて、それを10a当たり30個設置していたが、燃焼時間が3時間ほどしか持たないので、夜12時に燃やし始めたら、朝の3時頃にはまた燃焼資材を継ぎ足さないといけない。夜も寝られない。」こういった農家の声を全国あちこちで聴いた当社社長は何とか夜の作業を省けないか、またより簡便に省力化した防霜対策が出来ないか考えた結果、花芽が直接霜にさらされないように「布団」代わりになり、かつ霜の原因となる水分を吸着し、昼間にかけておけば昼間の温かい空気を保持してくれる「ゼオライト」の特性に気が付いた。それは非常に細かい粒子にしてやれば水の中で懸濁した状態のままスピードスプレーヤーで散布出来る。これだ!と思った。そして、外からの物理的な予防策に加え、リン酸やブドウ糖を配合することで一定時間経過後、一度植物に吸収され内部から耐寒性を高めてくれるようにも配慮した。こうして「霜ガード」は誕生し、今年もまた全国の農家にご使用いただいて10年を迎えた。
(2009年/特許登録番号 第4996638号)
自社工場での取り組み
自社開発・自社生産
ならではの強み
自社工場は福島県田村氏と新潟県胎内市の2拠点。企画開発→原材料調達→製造→発送までを一貫して行うことで、安定した製品供給と製品への素早いフィードバックが可能です。また工場内には成分テストのための試験室なども併設しています。
サーキュラー・エコノミーを
意識した取り組み
当社ではサーキュラー・エコノミーにつながる活動として、肥料の原料にバイオマス発電の副産物として出て来る「鶏糞燃焼灰」を利用しています。
2008年、リーマンショックの年に国際的な資源価格が軒並み高騰し、肥料原料も大幅に高騰、国内の肥料価格は2~3倍の高値となり、原料の海外依存度が高い日本の肥料産業の脆弱性が浮き彫りになりました。
そこで国内的かつ持続的に出て来る原材料はないかと様々なものを探した結果、鶏糞燃焼灰に行き着きました。鶏糞燃焼灰とは、鶏糞を約1,000℃で燃やし発電した後に出て来る「廃棄物」ですが、まだ日本ではそれを生み出すバイオマス発電施設を備えている養鶏業者が少ないのが現状で、余った鶏糞燃焼灰は、従来は主に道路の骨材などに使われていました。しかし、成分的には日本にとって肥料原料として貴重なリン酸、加里、苦土、カルシウムなどを豊富に含んだもので、加えて養鶏業がある限り持続的に産出される、例えて言えばリンや加里の鉱山のようなものです。
これを産業廃棄物として扱うのはいかにも勿体ないということで、そのままではアルカリ性が強く肥料の原料としては配合するのに課題のある鶏糞燃焼灰を、当社独自の製法でpHを下げることで付加価値をつけ販売させていただくインダストリアル・シンビオシス(Industrial symbiosis *)を実現させていただいております。廃棄物を減らし、限りある資源を有効活用し子孫にこの豊かな地球環境を少しでもそのままバトンタッチしていく事を意識して活動しています。*インダストリアル・シンビオシス…ある事業から出た廃棄物を別の事業の資源として連携・活用する事で価値を生み出すビジネスモデル。
鶏糞燃焼灰はそのまま使用するにはpHが高すぎるため、
独自の製法でpHをさげて販売しています。
サーキュラー・エコノミー
とは
私たちの経済はリニア(直線型)といえます。採掘、製造、廃棄と連続するプロセスは多くの社会的、環境的、経済的課題の根源となっています。すなわち、私たちは限りある天然資源を持続不能なスピードで地球から収奪し、価値のない膨大なゴミを生み出しているのです。
一方、「サーキュラー・エコノミー」はゴミを出さず、再生的です。賢明な設計の下、存在するものを別の目的に再利用していくことで、ゴミを削減し、産業資源の効率性を高め、コストも削減し、サプライチェーンに復元力をつけ、私たちの未来のよりどころとなる自然景観を再生できるのです。
「サーキュラー・エコノミー」とは生物圏の機能を損なったり地球の限界を超えることなく、人類のニーズに対処し、資源を公正に分配する新しい経済モデルなのです。
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LINEAR ECONOMY
リニア・エコノミー
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CIRCULAR ECONOMY
サーキュラー・エコノミー